卵から羽化まで、アゲハチョウの観察飼育
毎年、近所の家の柑橘類の葉に幼虫が付いていて、何の幼虫か?とても気になっていました。 そこで葉っぱと幼虫4匹を失敬してきました。
図鑑を使って調べたところ、アゲハチョウの3令幼虫でした。
そこで、羽化までを観察することにしました。
時期的に早いのか、まだ青虫になっていません。
見た感じが鳥の糞のようです。
もう少し大きい幼虫も、同時に観察飼育することにしました。
そこで、近所の森や住宅外へ探しにいきました。
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やっと見つけました。
4令幼虫です。
大きな目玉に見えるのは模様です。
でもとてもユーモラスな顔(頭)です。
しばらく動かないかなと見ていると、突然葉っぱをムシャムシャと食べ始めてていきます。
その速さは5分間で2センチ程の速さです。
うまいこと、葉脈の中心の硬い部分は残して食べていきます。
食べ方が葉っぱの下側にいて上に向かって食い上げていくような動きです。
葉脈が固くておいしく無いのと、葉脈まで食べてしまうと自分が落ちてしまうので、食べないのでしょうね。
2日間観察していて、目に見えて大きく成長しているのが判ります。
この後のステージは蛹化で、完全変態する仲間のクワガタやカブトムシと同じです。
危険を感じると角を出して、臭い匂いを出す(臭角)ということですが、未だそういった動作は確認できません。
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4令だった幼虫も全て5令になりました。
加齢するのがクワガタに比べるととても早いです。
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各部分の名称です。
頭の部分は1節目まで、2節目~4節目までは胸部となります。胸部にある目のようなものは眼状紋と言って、眼ではなく只の模様です。
鳥などが上の方から見おろすと大きな眼に見えるので、襲われる危険が少なくなるのでしょうね。
畑の中に眼の模様の風船をぶら下げておくのと、同じなのかもしれません。
目は単眼で6個、眼の下が触角になります。
脚は胸脚、腹脚、尾脚と3つの部分にあります。
一足先に5令になった個体は、すでに前蛹状態で、茎の部分に糸をからめて、蛹になる準備を始めました。
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別の5令幼虫が前蛹になりました。
体は丸々と太っていて、葉っぱをたくさん食べて、栄養をたっぷりと取ったようです。
こちらも糸を枝と体にしっかりと絡めて、動かないように準備を始めています。
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こちらは飼育ケース内に割りばしを固定して、ここで蛹化出来るようにしたのですが、思惑が外れてケースのフタ部分で蛹になってしまいました。
蛹の色はグリーンで、あまり変化が見られませんでした。
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こちらも蛹になりました。
蛹化した時の状態はこちらの写真が自然な状態で、上の写真は裏側から見た状態となります。
色といい模様といい、まるで葉っぱのような状態で蛹化します。
この状態でも、丈夫な糸が体を支えていてくれます。
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無事羽化できました。
蛹化から12日目です。
午前中羽化して、飼育ケースのフタを開けてベランダに置いていた処、どこかへ飛びたっていきました。
アゲハチョウは年四化(世代を4回繰り返す)すると言われていますので、時期的には今年初めての成虫か、2番目の成虫でしょう。
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体じゅう毛におおわれていて、目(複眼)はかなりの大きさです。
この複眼は、1個ずつの眼(個眼)が約1万5千~1万8千個も集まって、できています。
拡大して見ると、大勢にジロジロと見られているような錯覚をしてしまうのは、私だけでしょうか?
吸収管はふだんは丸まっていますが、花の蜜を吸うときには伸びていきます。
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飼育ケースごとベランダに置いていたところ、しばらくして網戸に飛び移りました。
そして、どこかへ飛んでいきました。
又相手を探し、卵を産みに行くのでしょう。
秋が来るまで、これを繰り返します。
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又、新しい卵を発見しました。
羽化したアゲハが、この葉っぱに生みつけたのかもしれません。
時期的には、今年に入って2回目ぐらいの卵だと思われます。
直径約1mmぐらい、オキピタリスノコギリクワガタの卵と同じぐらいの大きさです。
色は写真の通り、黄色です。
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幼虫も1匹、見つけることができました。
体長が10mm程の大きさなので、2令ぐらいになると思います。
見た目は鳥の糞のような色で、鳥からの目線だと幼虫には見えないでしょう。
各ステージに応じて、鳥などの外敵に襲われぬ様、様々な形や色に変化する様子は、とても驚きです。
初令~3令 鳥のフンに似せる
4令~5令 体色を葉色に似せ、眼状紋で存在を大きく見せる
蛹化する時 蛹の体色を周囲の環境色に似せる
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上の卵が孵化しました。
どうやらナミアゲハではなく、クロアゲハの幼虫のようです。
一晩で飼育ケース内の葉っぱを全部たいらげてしまい、朝になって新しい葉っぱを入れてあげたところ、すごい勢いで食べはじめました。
頭の部分をグイーと伸ばして、クワガタ幼虫の頭に似た部分が見えます。
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クロアゲハの前蛹です。
始めは飼育ケースのフタで蛹になろうとしたのですが、他の幼虫に餌の葉っぱをあげるのにフタの開け閉めをしなければならず、強制的に飼育ケースの中へ戻ってもらいました。
あちこちとうろうろしながら、やっとこの枝に決めたようです。
ナミアゲハの幼虫と似ているようですが、よく比べると違いがあります。
(7/29)
場所が決まると、あっという間に蛹になってしまいました。
ナミアゲハの蛹と比べると、一回り程大きい蛹です。
これは個体差なのか、種類の差なのか定かではありませんが、同時期に蛹になったナミアゲハの蛹が3頭いますが、皆同じくらいの大きさ(一回り小さい)です。
(7/29)
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