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ヤマトタマムシの観察記録

ヤマトタマムシの顔 精悍なヤマトタマムシの顔

いつものように息子と一緒に近所の森へ昆虫採集に出掛けました。
森の入り口に自転車を止めようとしたその時、息子が「アッツ!!」と声を上げました。
何だろう?と近寄って見ると、息子の手にはキラキラと輝くヤマトタマムシが乗っていました。
あいにくそのヤマトタマムシは既に死んでいましたが、その輝きは全く失われていません。
そして森の中に入って行くと・・・・

ヤマトタマムシの成虫

森の中に入って虫を探し始めました。
一ヶ所に立ち止まり、周囲にある木の表面を眼線で探している内に、急に何かが目に飛び込んできました。
何かな?と思い側まで近ずいてみるとそれはヤマトタマムシの成虫でした。
しかも今度は生きて木の幹に止まっています。
そしてそっと近ずき、無事採集しました。
私はヤマトタマムシの生体を手にするのは生まれて初めてのことです。
以前からこの森で材採集する時に、ヤマトタマムシの幼虫を見ることは多かったのですが、成虫を手にすることは初めてです。
ヤマトタマムシは「吉兆虫」とも言われ、私も何か良いことがあるような、宝物を見つけたような気分になりました。

羽を広げるヤマトタマムシの成虫

という事で採集したヤマトタマムシを観察してみることにしました。
飼育ケースの中に入れて様子を見ていると飼育ケースの中で翅を広げて飛び立とうとしたり、プラスチックの垂直な壁をよじ登ってきます。
ゴマダラカミキリなどと同じで脚裏が特殊な形状をしている為に、プラスチックの垂直な壁も難なくよじ登って来られるようです。

ヤマトタマムシ成虫脚裏を見る

そこでヤマトタマムシの成虫を捕まえて、脚裏を撮影してみました。
やはり予想したとおり、脚裏が特殊な形状をしています。
それぞれの脚に、平らな吸盤状のものが4枚、ブルドーザーのキャタピラーのように連なっています。
この部分があるおかげで、プラスチックの垂直な壁をよじ登れるようです。

ヤマトタマムシ成虫脚裏の拡大

マイクロスコープを使って拡大して見ると、白くて平らな吸盤のようなものが見えます。
又、鉤爪もありますので、場所によって使い分けをするのでしょう。


ヤマトタマムシ成虫の頭部

頭部には複眼がかなりの面積を占めています。
雄と雌では複眼の大きさが違い、雄のほうが大きいようです。
夏の暑い日にケヤキやエノキの木の上で飛び回り、葉の上にいる雌を探し、雌を見つけると降りて行って交尾をします。
雌を見つけるには大きな複眼でしっかりと探す必要があるので、個眼の数が多くなるように進化したのでしょうね。
下に更に拡大(×200)した複眼の写真がありますが,蜂の巣状に整然と並んだ個眼と、光の当たった所では角膜とレンズの部分が確認できます。
触角は11節に分かれていて3節目迄は体と同じ色で、4節目から先は黒くなっています。
又、2節目は他の節よりも小さいのが特徴です。


ヤマトタマムシの複眼

個眼が整然と並んだヤマトタマムシの複眼(×200)


ヤマトタマムシ成虫の上から見た頭部

こちらは上から見た頭部ですが、上から見下ろすと触角は1節目迄黒色です。
頭部や、前胸背板、上翅の色はどちらかと言うと雌に見せる目的でなく、天敵の鳥などから身を守るカモフラージュの役目をしているようです。
人間の目から見るとこんな派手な色で逆に目立ってしまうのではと思うのですが、立派な迷彩になっているようです。

ヤマトタマムシ背板側の腹

この写真は背板側から見た腹部です。
この部分は細かい毛に覆われていますが、赤系と緑系の色が出ています。
上翅など固いクチクラの部分は構造色と言われていますが、腹部は柔らかいので生えている細かい毛そのものが構造色として発色しているのかもしれません。
腹部先端に突出しているので、どうやら性別は雄のようです。
写真ではよく確認できませんが、クワガタやカブトムシと同じように、気門もこの部分にあると思います。
又、上翅や下翅の基部には頑丈そうな骨格のようなものが見えています。

ヤマトタマムシ腹板側の腹部

この写真はヤマトタマムシの脚側の腹部です。
腹部は木の上を飛んでいる時は下から目立つ方が雌にも確認しやすいのでしょうが、どちらかと言うと薄緑~薄黄色のメタリックで、上翅のようなブツブツが目立たなく、ツルッとした感じです。

ヤマトタマムシの上翅の拡大

これはヤマトタマムシの上翅の拡大(×20)です。
表面の凹凸が腹側よりも多く、緑と赤色が中心です。
翅の発色は構造色と言われ、10数層もの薄い層が重なりあって光が干渉しあい、強めあったり弱めあったりしながら色を出し、綺麗な色を作り出しています。
その為、見る角度により色が異なって見えるのが特徴です。
これはシャボン玉、サザエ貝の中、虹、CDなどに共通する、光の干渉による色です。 古来から日本では、建物や装飾品の材料として使われ、とても珍重されてきました。
一方で、枯れたサクラ、エノキ、ケヤキなどに卵を産み食害する為、あのアブデルツノカブトと同じように、農林水産省の「植物防疫法の規制を受ける昆虫類」として指定をされる一面もあります。
その為、東南アジア方面からの同種の国内持ち込みは不可となります。
生きた木には産卵しませんが、伐採し貯木した状態の時に産卵をし、建築や家具用途の材の価値を損なう為のようです。

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