タランドスオオツヤクワガタ飼育情報
( Mesotopus tarandus )
飼育温度
幼虫飼育材
生息地域
アフリカ コンゴ~カメルーン
体長
♂ 74mm♀ 45mm
成虫寿命
18ヶ月
幼虫期間
10ヶ月前後
♂
♀
成虫飼育
アフリカの黒い宝石と呼ばれる、黒くてツヤツヤした成虫で、成熟したオスを手に持つと「ブルブル」とまるで携帯電話でも持ったような振動が伝わってきます。
飼育温度は20~28度と、わりと範囲が広く飼い易い種類です。
通常の飼育温度は24~25℃、産卵させる時は20~21℃ぐらいに温度を変えてあげると、産卵行動に移りやすくなるようです。
オス、メス一緒に飼っても、メスをはさみ殺すことは少ないですが、一緒に入れておくと交尾しすぎてオスの消耗が激しいので、交尾の時だけ同居させたほうが、オスが長生きします。
酷使しなければ寿命の長い種類です。
飼育方法は小型~中型の飼育ケース、飼育マット又はおがくずマット、転倒防止の為の材、昆虫ゼリーを用意します。
冬場の飼育には飼育ケースの加温が必要で、20℃以上の環境になるようにして下さい。
温室に関する詳しい情報はクワガタ、カブト飼育用簡易温室の作り方
クワガタ、カブト用かんたん温室の作り方のページに詳しく書かれています。
幼虫飼育
初令時は発酵マット、メス親の材の食いカス、カワラ菌糸の食いカスのどれでも大丈夫です。
食いカスの場合は集めて、プリンカップに入れダニを殺す目的で電子レンジに2秒ほどチンしてから使用して下さい。食いカスは幼虫にとって離乳食のようなもの、捨てないでとっておくと必ず役に立ちます。
特に卵で回収した場合は、孵化後2~3週間程はこの食いカスの中で育てて下さい。
孵化後3週~4週後、カワラ菌糸瓶又はカワラ菌糸カップに投入します。
菌糸へのあまり早い時期の投入は生存率を下げますので、2令までは食いカスの中で育てたほうが安全です。
オスの場合プリンカップ->800ml菌糸瓶->1.5~2リットル菌糸瓶->1.5~2リットル菌糸瓶と交換して行きます。
メスの場合は、2本目以降も800mlの菌糸瓶で、羽化まで持っていけます。
いずれにしろ、オスは成虫になる迄に3回~4回の交換が必要で、コストもかかりますので、可能でしたら自分で、菌糸ブロックからの詰め替えをお勧めします。
通常、菌糸ブロックは1個あたり3.5Lありますので、800mlで4本、1.5Lで2本と余った分で、菌糸カップをつくることができます。
ただし、カワラ菌糸は、高温状態(25℃以上)に強くありません。作り過ぎたた時の保存温度(18~23℃)が高いとすぐに色が変わってきて、やがて溶けてしまいます。
既製品の菌糸ビンの約60%の金額で作ることができますが、詰めてから菌糸が瓶全体に行き渡るまで5~7日間程必要になりますので、急いで必要な場合には向きません。
飼育温度は24℃~25℃程度が良いでしょう。
発酵マットでの飼育も可能で、カワラ菌糸が出る前にはマット飼育羽化させたようです。
菌糸瓶に関する詳しい情報は菌糸瓶の選び方、使い方のページに詳しく書いてあります。
産卵セット
霊芝材(レイシ)、人口カワラ材、カワラ菌糸瓶の中で、いちばん簡単に産卵させることができるのは、カワラ菌糸ビンによるセットです。
市販品もありますが、自分でも簡単に作ることが出来ますので、トライしてみて下さい。
- 1.5L程度の容器を横倒しの状態に入れても、少し余裕のある大きさの飼育ケース、飼育マット、カワラ菌糸ブロックを用意します。
- カワラ菌糸ブロックを1.5L前後の容器に詰め替え、菌糸がよくまわったらメスが潜れる程度の誘導用の穴を開け(容器の中心でなく縁に近い方)、飼育ケースの中に容器のフタをしないで横倒しの状態で入れます。
- 飼育ケースの底に1センチ程度、飼育マットを敷きます(中に入れる容器が動かない様に安定させる目的でいれるので、どんなマットでも可)あらかじめ明けた穴に♀が簡単に入って行けるような穴の位置に容器を置きます。
- 容器と飼育ケースの隙間部分を、材やマット、樹液ゼリーで塞ぎ、♀が隙間や容器の裏側に回りこめないようにする工夫が必要です。
- 昆虫ゼリーを何個か入れておき、飼育ケースの蓋を締め、静かで明るくない場所に置きます。
数日経つと、メスがどんどんと菌糸ビンの奥に潜って行き、容器の奥に突き当たると、食痕が左右に広がって行きます。
そこで卵室を作り始めて、卵室の準備ができると産卵を始めます。
メスが初めて産卵する場合、セットしてからおよそ2週間弱程度の期間で産卵が始まります。
菌糸びんによる産卵のメリットは、産卵する迄の過程が逐一、外から確認できることです。 そして、産卵した卵を見ることで、回収するタイミングがつかみ易い。
卵での回収をすすめる訳ではありませんが、メスは一度に10~15卵程度しか生みません。
放っておくと、幼虫が大きくなるまで菌糸ビンから出てきません。
沢山の卵を回収したい人は、あらかじめ交換用の菌糸瓶を用意しておいて、そちらにメスを移した方が効率的に卵を回収できます。
継続して産卵をさせる場合、早い時で1週間程度で、産卵を見ることができます。
メスにはかわいそうですが、一度産卵を休止させてしまうと、次に産卵を始めるまでに時間がかかってしまいます。
ですから、2~3回の産卵をさせてから、休息させて栄養を付ける、そして再交尾、産卵というペースがいちばん良いように思われます。
菌糸ビンを使っての産卵の場合、材の穴あけ程メスを消耗させることがないので、メスを長生きさせることができます。