クワガタ、カブト飼育用簡易温室の作り方
外国産のクワガタやカブトムシを飼育していると、冬の飼育方法を考えてあげなければいけませんね。
国産のオオクワガタやコクワガタなど、常温で飼育できる種類は、冬眠できるようにだけ準備すれば良いのですが、外国産の虫達は飼育温度表にも書いてあるように、冬でも一定の温度に保つ必要があります。
そこで温室や、温度を上げる設備が必要になります。
市販の温室の値段を調べてみると、かなり高い値段で売られています。
安く温室を作る方法はないかと考えて、実際に製作してみました。
この温室は、「まるぼランド」が既に4年間、実際のクワガタ、カブトムシの飼育に利用していて、真冬の寒い日でも25℃の状態を保ってくれ、冬の飼育には無くてはならない物となっています。
簡単な工作で作ることが出来ますので、是非参考にして下さい。
以下の注意書きを良く読んだ上、工作をお楽しみ下さい。
ご注意!! このページをご覧になって、自分も作ってみようと思う方に。
この工作は、電気と水を同時に扱う事になりますので、くれぐれも感電と火災に注意して下さい。
この情報を元に製作して、事故や火災があっても、一切の責任はとれません。
どうぞ自己責任で製作してください。
まずは「まるぼランド」の温室内の様子です。
この部屋は、階段下にある畳1枚分程の小部屋で、手前に入り口があり、以前は物置きとして使用していた場所です。
部屋の中には、棚付きの家具が1台あるだけで、棚の中には温風器、そして温風器の上にはクリップ式の扇風機がついています。
温度センサーのケーブル長の関係で、温度コントローラーは、室内に設置してあります。
温風器は、ちょうどヘアドライヤーを置き型にした形の、園芸温室用の商品で、秋葉原の坂口電熱で一万円弱で購入したものです。
商品名はソーワ 園芸用温風機と言う名称で、総和工業(株)という所の商品です。
規格はAC100V200Wの物ですが、これより大きいワット数の物も販売されています。
部屋の大きさが、畳一枚分の部屋ですが、真冬の一番寒い時期で棚の中段辺りで26℃前後、床面付近で23℃、天井付近で28℃前後まで温めることができます。
この温風器は、元々園芸温室用途で作られている為、コンセントにつないで温度設定するだけで使用できるのですが、温度設定が大まかなので、そのままでは虫の飼育用途には向きません。
そこで温度コントロールが確実に出来るように、「クワガタ飼育用冷蔵庫」の製作でも使用した、松尾電気製の温調器を使いました。
この温調器の良い所は
- 温度が0.1℃単位で設定できる。
- 温度が下がってON、上がってONの2動作(要切り替え)に対応している。
- リレーの接点容量が高い(1000ワットまで)ので熱源の選択範囲が広い。
温調器には、簡単な配線をしてテーブルタップを取り付け、機器の取り外しが簡単にできるようにしています。
温調器付きタップは、右下のような配線図になります。
出来上がりは、熱帯魚水槽や、温室用のコントローラーで販売されている物と、機能的には同じになりますが、市販品のほとんどが200~300ワット迄しかコントロール出来ず、温度変化の感知も1~2℃単位と、かなり大まかな温度設定になってしまいます。
扇風機は空気をかきまぜて、室内の温度差を極力少なくするためのもので、壁に取り付け出来るものでしたら、どういう形でも使用可能でしょう。
温風器の能力の問題もあるのかも知れませんが、ここでは温風器の上側に設置して、吹き出し口に向かって風をあてています。
ご存知のように、暖かい空気は自然に上に向かって流れますので、棚の真ん中に置いた温風器からの暖かい空気は、そのまま上に流れてしまい、天井付近だけが高い温度になります。
そこで扇風機の風を温風に当てることにより、暖かい空気が下の方に向かい、床近くまで暖かい空気を送ることができます。
床面に達した暖かい空気は、自然に上に向かって流れますが、徐々に熱を奪われて行きますので、天井付近の温度だけが高くなってしまうことがありません。
理想を言えばあと一台、天井に近い部分に扇風機を設置して、天井付近に溜まった暖かい空気を、もう一度下に降ろしてあげると、部屋内の温度差が更に少なくなるでしょう。
このコントロール付きタップを室内に設置して、温調器の温度センサーを設置します。
温室で一番大事な作業はこの温度センサー設置場所の選定です。
実際に使用する前に、温室内の温度分布を調べて、温度センサーの最適な置き場所を決める必要があります。
まず温調器を飼育する虫の飼育温度に設定し、飼育容器の置き場所を決めます。
温度センサーを、部屋の真ん中あたりに仮に置いて、飼育容器も予定の場所に置き、試運転をします。 (この時はまだ虫は入れません)
飼育容器の上に別の温度計を設置して、予定の温度になるかどうか確認します。
同時に床に近い部分、天井に近い部分など室内の温度分布も測定しておきます。
飼育容器付近の温度が温調器の設定温度まで上がりきらない場合、温度センサーを飼育容器に近づけます。
逆に飼育容器付近の温度が、温調器の設定温度よりも高すぎる場合は、温度センサーを飼育容器から遠ざけます。
こうやって温度センサーの設置場所を微調整して、飼育容器付近の温度が設定温度より上がりすぎないようにします。
この作業をやらないと飼育容器付近の温度が上がりすぎて虫が☆になる危険があります。
ここまでできたら、あとは使うだけです。
「まるぼランド」の家の場合、入り口にドアがついていませんので、スーパーで買った床に敷く片面銀色の発砲ウレタンマットを入り口にカーテン代わりに使っています。
ちょうどカーテンのように出入りも楽ですし、熱もほとんど逃げません。
外部センサー型の、温度計を一つ持っていると、とても便利です。
温度計本体とセンサーの間が、1Mほどの離れているので、たとえばクワガタの飼育容器の中の温度を外から測ったり、温室を作った時に内部の温度を外側から確認したりと、便利な使い方が考えられます。
ちなみにまるぼランドの家では10個ほど使って、飼育温度帯の違うクワガタ、カブトの温度を常にモニターしています。
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温風器は冬場のクワガタ飼育にはぜひ欲しいアイテムです。上の工作で使用しているのが
園芸用電気温風機SF-193Aで、まるぼランド家では約1畳弱の空間で使用しています。
部屋の中の暖かい空気を、かき混ぜてあげないと、場所によって温度差が出てきます。この温風器は、温度調整も付いていてこれだけでも使うこともできます。
もっと広い空間で使うと場合は、下に紹介したタイプの方が能力も高く、温風を床まで強制的に降ろすことができるので、部屋の温度を均一にしやすくなります。
まるぼランドも、次回はこの機種を買うつもりです。どちらも楽天から購入できます。
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