人工蛹室の作り方
人工蛹室は
- マット交換をしたら、蛹で出て来た。
- マット交換をしたら、間違って蛹室を壊してしまった。
- 容器が小さかった為、蛹室の大きさが小さく羽化不全になりそう。
- 蛹室を作った位置が悪く、このままでは角が曲がったまま羽化しそうだ。
- 蛹室の底に水がたまってしまい、羽化不全になりそう。
上のような状態の時に、人工蛹室を使うと、蛹を無事成虫にさせることが出来ます。
人口蛹室を作るのには、「オアシス」と言う材料を使います
オアシスと言うのは、園芸店やDIYショップで販売されている園芸材料で、吸水性や保湿性が高く、人工蛹室に使うにはもってこいの材料です。
最近では、オアシスの代わりにスポンジを使った既製品が、ムシ屋さんでも販売されていますが、簡単に作れて羽化させる虫の大きさに合わた蛹室ができますので、ぜひチャレンジしてみて下さい。
この人工蛹室は、国産、外国産ほとんどの種類のクワガタ、カブトムシに使うことができますが、
準備する物
オアシス
園芸店や、DIYショップなどで、販売されています。
1個の大きさが、レンガを一回り大きくしたサイズで、カッターやスプーンを使って、簡単に加工が出来る材料です。
一個まるまる使うと、ヘラクレスヘラクレスなどの大型カブトでも、羽化させることができます。
飼育ケース、又は容器
作る人口蛹室より少し大きい、小型~中型の飼育ケースで良いでしょう。
作った人工蛹室を中に入れ、フタをした時に、上に10センチぐらいの隙間がほしいです。
乾燥やコバエなどの雑虫に備えて、フタの出来る飼育ケースが必要です。
フタが閉まって、人工蛹室が入れば専用のものだけでなく、100円ショップで売っている容器でも大丈夫です。
スプーン
大きいスプーン、小さいスプーンなど何種類かあると便利です。
オアシスの加工は、カップのアイスクリームをすくう時と同じように、スプーンで加工します。
カッター
オアシスを切り分けるのに使います。
簡単に切れますが、力を入れ過ぎるとオアシス自体、型くずれします。
油性ペン
あらかじめオアシスの表面に作る蛹室の大きさの輪郭を書きます。
輪郭を書かず掘り始めると、いびつな形になりやすいですから注意して下さい。
道具は以上です。
作り方
- 買ってきたオアシスの材料を、作る人工蛹室よりも一回りくらい大きく切り分けます。
厚さは蛹室の深さ+底の厚み1センチがあれば良いです。
- オアシスに蛹を置いた時に、蛹の輪郭より一回り大きい輪郭線を直接オアシスにペンで書きます。
蛹と輪郭線の距離は、頭から上、足から下はそれぞれ蛹の長さの半分ぐらい(体長の2倍) 体の両横はそれぞれ体の太さぐらい(体巾の3倍)の線を書きます。
輪郭線を書く 上から見た時 横から見た時
- オアシスを輪郭線に沿って、スプーンで掘ります。
カップのアイスクリームを食べる時のように、少しずつすくうとうまく出来ます。 いっぺんに掘ろうとすると、中の修正が出来なくなってしまいますので注意して下さい。
深さは、蛹を置いて横から見た時に頭が高く、足元が低くなるように掘ります。
スプーンで大体の形に掘れたら、指で押したり、こすったりして、でこぼこを無くします。
表面がでこぼこのままですと、成虫もでこぼこに合わせて羽化してしまうので、できる限り滑らかに仕上げて下さい。
幼虫たちがつくる蛹室の中は、かなり滑らかに作り、ちょうど卵の内側のような感じです。
- 出来上がった人工蛹室に水をたっぷりとしみ込ませます。
- 飼育ケースの中に人工蛹室を入れます。
水をしみ込ませたばかりの人工蛹室は、表面もビチョビチョに濡れていますので、10分間程度放置して、表面の水が下に下りて行くのを待ってから、蛹を入れます
- 蛹を頭が高くなる向きで置きます。
大きいスプーンなどを使って移動します。
蛹をさわる時は手で直接さわらず、手袋などをしてさわって下さい。
蛹にとってはかなりのストレスになりますので、手早く移動しましょう。
- フタをして温度変化の少ない場所で保管します。
フタにたくさんの穴が開いている飼育ケースは乾燥が早いので、ラップを被せて保管します。
途中乾燥して来たら水分を補給しますが、飼育ケースの底に水を足すか、スポイトなどを使ってオアシスに水を吸わせて、蛹には直接水がかからないようにして下さい。
成虫の種類によって違いはありますが、おおよそ3週間~1ヶ月半ぐらいで羽化させることができます。
その他の注意
飼育ケースと、中に入れる人口蛹室のスキマが中途半端にあると、羽化した成虫がスキマに落ちて身動きがとれなくなり、羽化不全や死亡するケースがあります。
あらかじめ羽化する成虫のサイズを予想して、スキマに落ちないような対策をすると回避できます。
蛹はとてもデリケートですから、できる限り振動など、ストレスを与えないように、気をつけて下さい。
この人工蛹室は、国産、外国産ほとんどの種類のクワガタ、カブトムシに使うことができますが、