オオクワガタ飼育情報
( Dorcus curvidens binodulus )
飼育温度
幼虫飼育材
生息地域
北海道、本州、四国、九州
体長
♂ 22~82mm
成虫寿命
2年~3年
幼虫期間
10ヶ月~12ヶ月
♂
♀
成虫飼育
とても寿命の長い種類で、およそ3年程度生きます。
飼育温度は22℃~25℃程度で、暑さにもそこそこの強さがあります。
オス、メス一頭ずつなら、同じケース内で飼育が可能です。
乾燥には弱いですから、飼育マット、おがくずマットなどをひいて、保湿できるように工夫してください。
晩秋から早春までは冬眠をしますので、飼育ケースの中に飼育マットを多めに入れます。
材と昆虫ゼリーを置き、新聞紙などかぶせてフタをし、湿度を保てるようにします。
温度変化が少く、暗くて静かな場所に保管します。
具体的なセット方法はクワガタの冬眠方法に詳しく書いてあります。
気温が18℃を切るころより冬眠の準備をはじめますので、秋になったら冬眠用の飼育材を用意しましょう。
冬眠中の保管温度は5~10℃程が良いでしょう。
冬眠中、温度が高くなってしまうと冬眠から醒めてしまいます。 寿命を縮める原因となるので、温度変化の少ない場所を選んで保管して下さい。
屋内で保管する場合、暖房で室内温度が急激に変化するおそれがあります。
凍るような状態でない限り、心配は不要なので、必ず暖房の無い場所に保管して下さい
幼虫飼育
幼虫の飼育には菌糸瓶、発酵マット、材飼育のどれでも可能です。 一番大きく育てることが出来るのは菌糸瓶飼育です。
幼虫の孵化した時期にもよりますが、秋や初冬に孵化した幼虫は、11月に入って気温が18℃以下になると冬眠の準備をはじめます。
冬眠を始めた幼虫は春まで成長が止まります。
温室を利用して冬の間も23℃程度の環境を維持してあげると成長が続きます。
加齢が進み、春先から初夏にかけて羽化ができるようになります。
オオクワガタは体の中の成長が遅いようです。
次の年の春までは産卵できる状態にならないので、温室を使わずに常温での飼育をおすすめします。
幼虫は加齢するごとに体重が増えて大きくなります。 体の大きさに合わせた飼育容器に取り替える必要があります。
雄の幼虫は、1本目850ミリリットル、2本目以降1.5リットルぐらいの大きさの容器に移動してあげます。
大きな容器に移すことにより、より大きな成虫の羽化を見込めます。 又、羽化不全などの発生も少なくなります。
大きく育てるには3令の前期までに、どれだけ栄養豊富な食べ物を食べたかが重要で、3令中期以降は蛹化の準備段階となり、栄養を与えてもあまり効果がありません
雌の幼虫の場合は850ミリリットルを途中1本交換して、合計2本使えば羽化させることができます。 これは菌糸瓶飼育でも、マット飼育でも、同じことが言えます。
菌糸瓶に関する詳しい情報は菌糸瓶の選び方、使い方のページに詳しく書いてあります。
産卵セット
- 小~中程度の飼育ケースを用意します。
- 産卵には良く発酵した発酵マットとクヌギ、コナラ、レイシ材などの産卵木を使います。
- 発酵マットを手のひらでギュッツと握っても水が垂れずに、手のひらを開いたら団子が出来るぐらいまで水を加えよく混ぜます。
- 発酵マットを飼育ケースの底から4センチぐらいの高さまで入れます。
- すりこぎやビンの底などを使って発酵マットをよく突き固めます。
- 半日程度水に漬け込み、2~3時間かげ干ししたクヌギ、コナラ、レイシ材などの産卵木を皮をむいて1~3本置きます。
- 産卵木の周りに加水した発酵マット上部が少し出るぐらいまで入れます。
- マット表面にむいた樹皮と昆虫ゼリーを3~4個ぐらい置きます。
- フタをして温度変化の少ない、暗く静かな場所に保管します。
産卵木は少し固めの材料の方が、オオクワガタに向いています。
オオクワガタは産卵木に穴を掘って産卵します。
産卵木が隠れるまで発酵マットは入れなくても産卵はしますが、産卵木の安定、保湿、防カビのために使用をおすすめします。
加水した材は、マットから露出した部分が多いと、青カビが発生しやすくなります 青カビが気になる人はあらかじめ材の露出を少なくすると発生しません。
全ての準備ができたら、交尾の終わった雌を1匹だけ入れます。
保管温度は23℃~25℃です。
1ヶ月経過したらメスの成虫を取り出します。
メスの成虫は疲れているでしょうから、オスと同居させずにしばらくの間は休ませ、栄養も与えます。 産卵木も産卵セットから取り出します。
この時点で産卵木を割ると、ほとんどが卵で出てくるでしょう。
卵で取り出した場合は孵化させる為に、産卵木を細くばらばらにしたベッドの上で孵化させます。
産卵木から幼虫で取り出すには、ビニール袋の中に回収した産卵木を入れます。 乾燥しないようにあと1ヶ月、温度変化の少ない場所に保管します。
1ヶ月後には産卵木内の卵はほとんど幼虫になり、成長の早い幼虫は2令まで加令しているものも見つけることができるでしょう。
取り出した幼虫は、プリンカップに入れた発酵マットか菌糸瓶で飼育します。
初令時にはマット(産卵に使ったマットで可)で飼育します。 2令になってから菌糸瓶に移した方が、幼虫の死亡率が低くなります。