アカアシクワガタ飼育情報
( Dorcus rubrofemoratus )
飼育温度
幼虫飼育材
生息地域
北海道、本州、四国、九州、対馬他
体長
♂ 22~58mm
成虫寿命
1年~2年
幼虫期間
8ヶ月~10ヶ月
♂
♀
成虫飼育
比較的高地に生息するクワガタで、ミヤマクワガタと生息分布がほぼ重複しますが、ヒメオオクワガタよりは低い地域に生息します。
高温が苦手で、夏場はクーラーなどで温度管理が必要です。
30℃以上になる環境での飼育はできません。
逆に寒さには強い種類です。
飼育温度23℃~25℃程度がベストです。
7月から10月頃まで活動する種類で、自然下では冬眠はしませんが、飼育下では越冬する個体もいるようです。
寿命は飼育下で1~2年です。
成虫飼育は、小型~中型の飼育ケース、飼育マット又はおがくずマットを5センチ程度ひいて、つかまる為の木と昆虫ゼリーを入れます。
性格はおとなしいですから、オスとメスをペアーで飼育しても大丈夫なようです。
ただし、オスを同じ飼育ケース内に、複数入れるのは止めた方が良いです。
幼虫飼育
幼虫飼育は菌糸瓶飼育、マット飼育のどちらもでも可能ですが、菌糸瓶飼育の方が若干大きく育ちます。
マット飼育の場合、添加材入りの発酵マット、500~1000mlの飼育容器を用意します。
- 発酵マットに、水を入れてよくかき混ぜます。
水分量は、手でギュッツと握った時に、水が垂れなく、手を広げた時に、お団子が出来るぐらいです。
- 飼育容器に、加水した発酵マットを、スリコギを使って固く詰め込みます。
一度にたくさん詰め込むと、底まで固く詰められないので、2~3回に分けて詰めるのがコツです。
- 詰め込んだ発酵マットに、幼虫が入る程度の大きさの穴を掘ります。
- スプーンを使って、幼虫を頭から入れます。
- しばらく様子を見て、自分で発酵マットの中に潜っていったら、フタをします。
- 暗くて、静かで、25℃を超えないような場所に保管します。
3ヶ月を目途に、発酵マットを交換します。
菌糸瓶で飼育の場合は、オオヒラタ系の菌糸瓶を使います。
成虫のサイズが、元々小さい種類ですから、500ml->850mlの2回の交換で羽化させることができます。
メスの場合は、菌糸瓶の劣化が無ければ、850mlを1本で羽化させることも可能です。
幼虫期間は、8ヶ月程で羽化します。
菌糸瓶に関する詳しい情報は菌糸瓶の選び方、使い方のページに詳しく書いてあります。
産卵セット
産卵セットは、小型~中型ケース、良く発酵した無添加の発酵マット、クヌギ又はコナラの産卵木、昆虫ゼリーを用意します。
- 産卵木は水を入れたバケツに、浮き上がらない様におもりを乗せて、半日程度水をしみ込ませます。
- 産卵木を取り出して、2~3時間、日の当たらない場所で干します。
- 産卵木の樹皮を、マイナスドライバーなどを使って剥がします。
加水すると、産卵木の樹皮は簡単に剥くことができるようになります。
- 無添加の発酵マットに、水を入れてよくかき混ぜます。
- 水の量は、手でギュッツと握った時に、水が垂れないで、手を広げた時に、お団子が出来る程度です。
- 飼育ケースの底から5センチぐらいの高さまで、加水した発酵マットを、すりこぎを使ってカチカチに突き固めます。
- 樹皮を剥いた産卵木を、突き固めたマットの上に置きます。
- 産卵木の背中が隠れる位の高さまで、産卵木の周りに発酵マットを入れて、手で軽く押し込みます。
- 剥いた樹皮、昆虫ゼリーを2~3個表面に置きます。
- 交尾済のメスを1匹だけ入れてフタをします。
- 暗くて静かで、気温が25℃以上にならない環境に保管します。
1ヶ月程度経過すると、飼育ケースの底に卵が見えてくるようになります。
そのまま飼育を継続して、あと1ヶ月待ってから飼育ケースの中を取り出します。
新聞紙を床に広げて、飼育ケースの中身を全部ひっくり返して出します。
幼虫や卵は、突き固めたマットの中と、産卵木の中の、両方から出てきます。
プリンカップを用意して、産卵セットで使用した発酵マットを詰め、幼虫を1頭ずつ入れます。
プリンカップの幼虫は、約1ヶ月を目安に幼虫飼育に移行して下さい。
温度が高すぎると産卵してくれませんので、冷蔵庫や、クーラーで、温度管理をしっかりとして下さい。