ヘラクレスレイディ飼育情報
( Dynastes hercules reidi )
飼育温度
幼虫飼育材
生息地域
セントルシア島、マルティニク島
体長
♂ 52~105mm、♀ 47~62mm
成虫寿命
8ヶ月
幼虫期間
12ヶ月前後
♂
♀
成虫飼育
成虫飼育には、中くらいの飼育ケース、飼育マット又はおがくずマット、転び止めの木、大きめの餌皿を用意します。
飼育温度は24~25℃がベストです。
ヘラクレス種の中では、小型種なので、それ程大きな飼育ケースは必要としません。
転倒した時に、起き上がれずに、疲労して死んでしまう事故が、よく起こります。 特に体高の高いメスは、起き上がるのが、苦手なようです。
転んでもつかまることが出来るように、木の他、ビニール製の観葉植物などを、必ず入れて対策して下さい。
成虫は、湿度の高い状態に置いておくと、上翅が黒っぽく変色してきます。 30~60分ぐらい、風通しのよい環境に置いておくと、元に戻ります。
蒸れと乾燥に弱いですから、マメに霧吹きを使って、加湿してあげて下さい。
冬場の飼育には加温が必要で、温室などを使用して、20℃以上の環境になるようにして下さい。
温室に関する詳しい情報はクワガタ、カブト飼育用簡易温室の作り方
クワガタ、カブト用かんたん温室の作り方のページに詳しく書かれています。
幼虫飼育
幼虫飼育は、カブトマットでの飼育となります。
初令~2令迄200mlプリンカップで、3令初期500~1000ml飼育容器、それ以降小型~中型の飼育容器を使います。
- カブトマットに、水を入れてよくかき混ぜます。
水の量は手で握った時に水が垂れずに、手を開いた時にお団子が出来るくらいです。
- 幼虫を新しいマットに入れる時は、飼育容器の中にカブトマットを詰めます。
- マットの表面に、幼虫が入るくらいの大きさの穴を掘ります。
- スプーンを使って、頭から穴にいれます。
- 幼虫がマットの中に潜っていったら、フタをします。
マット交換をする時は
- 飼育容器の中に、幼虫をあらかじめ入れておきます。
- 交換前に使っていた、カブトマットを、フルイを使って糞を取り除きます。
- より分けたマットを、霧吹で加湿して、よくかき混ぜます。
- 幼虫の周りに、より分けたマットを先に入れます。
- 加水した新しいマットを、足りなくなった分だけ足します。
- マットの表面を、手で軽く押しこみます。
マット交換は、幼虫にストレスを与えますので、なるべく急な環境の変化が無いように、以前使用していたマットを、幼虫の周りに入れて下さい。
コバエが大量に発生した場合は、マットの表面から4~5センチぐらいを捨ててしまい、残りの部分をフルイでより分ければ、使用できます。
3ヶ月を目安に、マット交換をしてあげます。
それ以前でも、マットの表面に、糞がたくさん見られるようなら、交換します。
マット交換のタイミングが、計量、オス、メスの判別、大きいケースへの移動のタイミングですから、あらかじめハカリや、新しいケースを用意しておいて、手早く作業をして、幼虫のストレスを最小限に抑えるように、工夫してあげて下さい。
産卵セット
産卵セットには、大型の飼育ケース又は衣装ケース、カブトマット、転び止めに使う産卵木、昆虫ゼリーを用意します。
- カブトマットに、水を入れてよくかき混ぜます。
水の量は、手でギュッツと握った時に水が垂れず、手を開いた時に、お団子が出来るくらいです。
- 飼育ケースの底から、15センチぐらいの高さまで、加水したカブトマットを、スリコギを使って、カチカチに突き固めます。
- メスが卵を産む場所は、カチカチに突き固めた場所で、柔らかい場所には産卵しませんので、まんべんなく固めてあげることが、卵をたくさん産ませるコツです。
- フタをした時に、メスの成虫が、自由に動き回ることが出来るくらいの高さまで、加水したカブトマットを入れます。
- マットの表面に、転び止めの為の木、昆虫ゼリーを5~6個置きます。
- 交尾済の、メスを一匹だけ入れて、フタをします。
- 温度変化の少ない場所に保管します。
1ヶ月経過したら、メスを取り出します。
メスに産卵を継続させるなら、新しい産卵セットを用意して、メスをいれます。
産卵を止めるのなら、メスを別の飼育ケースに入れて、栄養を与えてゆっくり休ませます。
全部を幼虫で採りたい場合は、カブトマットを元に戻して、あと3~4週間、乾燥しないように注意して待ちます。
3~4週間経過したら、新聞紙を床に拡げ飼育ケースの中身を全部ひっくり返して出します。
突き固めた部分から、幼虫が出てきますので、200mlのプリンカップを用意して、産卵セットで使ったカブトマットを詰め、幼虫を一匹ずつ入れます。
卵で採れた場合
- 200mlのプリンカップを用意し、産卵セットで使ったカブトマットを詰めます。
- マットの表面に、卵が入るくらいの大きさのくぼみを、10個くらい作ります。
- スプーンを使って、卵をくぼみに中に一個ずつ入れます。
- マットの表面に、ティッシュペーパーを一枚かぶせ、表面に霧吹きで加湿します。
孵化するまでの間、ティッシュペーパーが乾燥したら、霧吹きで加湿して下さい。
- フタをして、3~4週間待つと、全ての卵が孵化します。
- 孵化した幼虫は、マットの下に潜っていますので、別の200mlのプリンカップに、産卵セットで使ったカブトマットを詰めて、幼虫を1頭ずつ入れます。
- 1ヶ月を目安に、幼虫飼育のセットに移行します。
産卵セットは、22℃~25℃程度がベストです。