ヒラタクワガタ飼育情報
( Dorcus pilifer )
飼育温度
幼虫飼育材
生息地域
本州、四国、九州、他
体長
♂ 29~76mm
成虫寿命
1年~2年
幼虫期間
10ヶ月前後
♂
♀
成虫飼育
ヒラタクワガタは臆病で、物音や光にすぐに反応して隠れてしまいます。
ヒラタクワガタの採集出来る場所が、河原などの水分の多い場所ですから、飼育に関しても湿度を確保してあげることが大事です。
臆病な割りには、大アゴの挟む力が強いですから、餌やマット交換の時に、指を挟まれないように注意が必要です。
パラワンオオヒラタクワガタタと比べると、最大サイズでも大あごは小さいですが、挟む力はそれなりに強力です
成虫は越冬が可能ですから、気温が下がってきたら飼育ケースに飼育マットをたくさん入れ、掴まるための材を入れて、マットが乾燥しない様にラップなどで包み、暗くて静かで温度変化の少ない場所に保管してあげて下さい。
具体的なセットはクワガタの冬眠方法のページに詳しく書いてあります。
成虫飼育にはは小型~中型の飼育ケース、飼育マット又はおがくずマット、転び止めの木、昆虫ゼリーを用意します。
飼育ケースの底に用意した、飼育マットを3cm程度の高さまで敷き、転び止めの木、昆虫ゼリーを置きます。
暗くて静か場所で保管します。
オス、メスのペアならば、同じ飼育ケース内で飼育しても、外国産のヒラタクワガタ種のようなメス殺しは起こらないようです。
ただし、オス同志を同じ飼育ケース内に入れてはいけません。確実に喧嘩が始まります。
幼虫飼育
幼虫はマット、菌糸瓶のどちらでも飼育が可能です。
幼虫飼育には、マット飼育の場合は500~1000mlの飼育容器、添加材入りの発酵マットを用意します。
- 発酵マットに、水を入れてよくかき混ぜます。
水分量は、手でギュッツと握った時に、水が垂れずに、手を広げると、お団子が出来る程度です。
- 飼育容器の中に、加水した発酵マットを入れて、スリコギで固めます。
一度にたくさんのマットを押し込むと、底まで固く詰めることが出来ないので、2~3回に分けて詰るのがコツです。
- マットの表面に、幼虫が入るくらいの大きさの穴をあけます。
- スプーンを使って、幼虫を一匹、頭から入れます。
- 幼虫が、自分でマットの中に潜って行ったら、フタをします。
- 暗くて、静かで、温度変化の少ない場所に保管します。
発酵マットは、3~4ヶ月に1回、交換する必要があります。
湿度多目を好む種類ですから、常にチェックして、乾燥しないようにして下さい。
菌糸瓶飼育の場合は、孵化後2~3週間の期間は産卵セットで使用した発酵マットで飼育し、2令になったら、850mlの菌糸瓶に入れ飼育します。
途中1回程度、菌糸瓶を交換すれば、羽化させることが出来ます。
菌糸瓶に関する詳しい情報は菌糸瓶の選び方、使い方のページに詳しく書いてあります。
産卵セット
ヒラタクワガタは材、マットの両方に産卵をします。
産卵セットには、小型~中型の飼育ケース、マットは良く発酵した無添加の発酵マット、産卵木はクヌギ、コナラ、霊芝(レイシ)材など、柔らかめの材を用意します。
- 水を入れたバケツの中に、産卵木を入れて、おもしを乗せて浮き上がらないようにし、半日漬け込みます。
- 産卵木を取り出して、2~3時間、日の当たらない場所で陰干します。
- 産卵木の樹皮を、マイナスドライバーを使ってむきます。
加水した産卵木は、簡単に皮をむくことが出来ます。
- よく発酵した無添加の発酵マットに、水を入れて、よくかき混ぜます。
水の量は、手でギュッツと握った時に、水が垂れずに、手を広げると、お団子が出来る程度です。
- 飼育ケースの底から、5cm程度の高さまで発酵マットを入れて、スリコギを使ってカチカチにつき固めます。
- つき固めたマットの上に、加水して樹皮をむいた産卵木を置きます。
- 加水した発酵マットを、産卵木が少し見える程度の高さ迄詰め込み、軽く手で押し込みます。
- むいた樹皮、昆虫ゼリーをマットの表面に3~4個を置きます。
- 交尾済のヒラタクワガタのメスを、一匹だけ入れます。
- フタをして、暗くて静かで、温度変化の少ない場所に置きます。
保管温度は23℃~25℃です。
約1ヶ月すると、飼育ケースの底や横に、卵や幼虫が見え始めますが、そのまま飼育を継続します。
1ヶ月を経過したら、メスの成虫は取り出して、別の飼育ケースで休まして下さい。
成虫の取り出しは、産卵セットをひっくりかえさなくても、夜間に昆虫ゼリーを食べに表面に出てきた時に捕まえると簡単です。
セット開始後、2ヶ月を経過したら床に新聞紙を広げて、セットの中身をひっくりかえして、全部出します。
幼虫や卵は底固めしたマットの中、産卵木の中の両方で見つけることができます。
卵から孵化をさせたい場合は卵の孵化方法のページに詳しく書いてあります。
- プリンカップを用意して、産卵セットで使用した発酵マットを詰めて、表面に卵が入る程度の大きさのくぼみを10個程作ります。
- スプーンを使って、幼虫をくぼみの中に一匹ずつ入れ、ティッシュペーパーをかぶせ、霧吹きで加水します。
幼虫が孵化するまで、テイッシュペーパーに一日一回は、霧吹きで加水して下さい
- フタをして、温度変化の少ない場所に保管します。
1ヶ月を目途に、幼虫飼育のセットに移行して下さい。
菌糸瓶で飼育する場合でも、初令時にはマットで飼育し、2令になってから菌糸瓶に移した方が、幼虫の死亡率が低くなります。