パラワンオオヒラタクワガタ飼育情報
( Dorcus titanus palawanicus )
飼育温度
幼虫飼育材
生息地域
フィリピン、パラワン島
体長
♂ 54~110mm、♀ 42~46.5mm
成虫寿命
12~18ヶ月
幼虫期間
8ヶ月~12ヶ月
♂
♀
成虫飼育
ヒラタクワガタの中では最大サイズになる種類です。
飼育ケースに、飼育マット、又はおがくずマット、転び止めの材、昆虫ゼリーを入れて飼育します。
パラワンオオヒラタクワガタのオスは、性格がかなり凶暴ですから、メスとの同居は交尾時に限った方が安全ですから、オス、メス個別に飼育して下さい。
人によってはオスの大アゴを紐や針金などで縛ってしまい、メスを挟み殺さないようにしてから交尾をさせている人もいるようですが、オス、メス共に成熟していて、メスが交尾を何度もしていなければ、メスが嫌がって逃げ惑うこともなく、交尾程度の時間は大丈夫でしょう。
但し、目を離すと何時メスを挟み殺すか判りませんので、交尾終了まで見守ることが大事です。
オスの成虫の大アゴはとても強力ですから、餌交換時など挟まれない様、注意してください。 確実に出血します。
万が一挟まれてしまった時は、無理やり引っ張ったりせずに、水を入れた容器の中に成虫ごと入れてしまえば苦しくなって大アゴを離します。
成虫は乾燥には弱いですから、マットをまめにチェックして霧吹きでの水分補給も忘れずにして下さい。
飼育温度は20~25℃ぐらいです。
冬場の飼育には加温が必要で、温室などを利用して20℃以上の環境になるようにして下さい。
温室に関する詳しい情報はクワガタ、カブト飼育用簡易温室の作り方
クワガタ、カブト用かんたん温室の作り方のページに詳しく書かれています。
幼虫飼育
発酵マット、菌糸瓶どちらでも飼育可能です。
どちらかと言うと菌糸瓶の方が若干大きく育ちます。
マットで飼育する場合は3令初期迄は500~850ml程度の飼育容器を使い、それ以降は1000~2000mlの容器を使用します。
マットは添加材入りの発酵マットを使用してします。
- 発酵マットの水を入れてよくかき混ぜます。
- 水の量は手でギュッツと握った時に水が垂れずに、手を拡げた時にお団子ができる程度です。
- 飼育容器に加水した発酵マットをスリコギを使って2~3回に分けて詰め込みます。
- 発酵マットの表面に幼虫が入れるぐらいの大きさの穴を掘り、掘った穴にスプーンを使って幼虫を頭から入れます。
- 幼虫が自分でマットの中に潜っていったらフタをして、暗くて静かな場所に保管します。
発酵マットの交換は3ヶ月に1回を目安に交換します。
メスで2回程度、オスで3回程度で羽化できます。
菌糸瓶の飼育の場合は、オオヒラタケ系菌糸を使った菌糸瓶で、3令初期まで500~850ml、それ以降1000~2000ml程度を使います。
メスの場合で都合2回程度、オスの場合で2~3回の交換で羽化出来ます。
菌糸瓶は、瓶の外から見て8割程度の食痕が見えてきたら交換時期です。
幼虫を投入したばかりの時は、菌糸瓶の中心付近で食べていて、表面に食痕が見えて来るのが割と遅く、見え始めると急に食痕だらけになってしまいますので、交換用の菌糸瓶を早めに準備して、菌糸を切らさないようにして下さい。
オスのサイズは、かなり大きく100mmを超えることも珍しくありませんので、3令以降は2L以上の容器、又は菌糸ブロック1個をそのまま入る飼育ケースに入れてにて飼育すると良いようです。
蛹室の大きさもかなり大きくなりますので、小さい容器を使うと羽化時に大アゴが飼育容器に当たってしまい、羽化不全になる可能性があります。
菌糸瓶に関する詳しい情報は菌糸瓶の選び方、使い方のページに詳しく書いてあります。
産卵セット
中型の飼育ケース、無添加の発酵マット、クヌギ又はコナラの産卵木、昆虫ゼリーを用意します。
- 水を入れたバケツに産卵木を入れ、浮き上がらない様におもりを乗せて、半日漬け込みます。
- 産卵木をバケツから取り出して、2~3時間日の当たらない場所で陰干しします。
- 産卵木をマイナスドライバーを使って樹皮を剥きます。
- 無添加発酵マットに水を入れ、よくかき混ぜます。
- 水の量は手でギュッツと握った時に水が垂れずに、手を拡げるげた時にお団子ができる程度です。
- 飼育ケースの中に、加水した発酵マットを入れ、底から5cm程度の高さの間は、スリコギを使ってカチカチに突き固めます
- 突き固めた発酵マットの上に、加水して樹皮を剥いた産卵木を置きます。
- 加水した発酵マットを産卵木の上部が少し見える程度迄、周りに詰め込み手で軽く押し固めます。
- 発酵マットの表面に、剥いた樹皮を敷き、昆虫ゼリーを4~5個程度置きます。
- 交尾済みのパラワンオオヒラタクワガタのメスを入れてフタをします。
- 暗くて、静かな環境で保管します。
後で表面に樹皮を敷くのに使用しますので、なるべく大きく剥いて下さい。
約1ヶ月を経過したら、中からメスの成虫を取り出します。
新たに産卵をさせるのなら、新しく組んだ産卵セットに投入します。
これ以上産卵させない時は、別の飼育ケースにメスのみで飼育して、栄養を付けて休ませて下さい。
しばらくすると、飼育ケースの底の部分に卵や幼虫が見えてきます。
全ての卵を幼虫で採りたい時は、発酵マットを元に戻し、ビニールを掛け、乾燥に注意しながらあと3~4週間待ちます。
3~4週間後に床に新聞紙をひいて、飼育ケースの中身を全部ひっくり返して出します。
底固めしたマットの中、産卵木の中で殆どが幼虫になって見つけることが出来るでしょう。
200mlのプリンカップに産卵セットで使ったマットを詰め込んで、幼虫を一匹ずつ入れます。
1ヶ月以内を目安に幼虫飼育のセットに移行します。
設定温度は24~25℃ぐらいです。